AIコーチと挑む:6.6 km24分ロードマップ

第2回|16 週間の全体設計と週次メニュー例


1.全体像──16 週間を5フェーズで組み立てる

 ChatGPT コーチは、現状(VO₂max 60/乳酸閾値ペース 4ʼ05±3 s/km〈VDOT 53–55〉)から 6.6 km 24 分00秒(=3ʼ38/km) を維持できる走力をつくるため、大会前16 週間を 5 フェーズに分割し、下表のロードマップを提案しました。

フェーズ期間週数目的週間走行距離*主なキーセッション主に鍛える要素
Ⅰ 基礎再構築7/22–8/113有酸素容量・走行習慣の安定45 → 55 kmLTビルド20′(4ʼ10→4ʼ00)
75 min LSD
心肺・フォーム
Ⅱ ビルドアップ8/12–9/84LT引き上げ+ロング走55 → 65 km5 km T走@3ʼ55
18 kmロング
1 km×5@3ʼ30
LT・筋持久
Ⅲ 特異的スピード9/9–10/64レースペース順応60 → 70 km2 km×3@3ʼ45
6 kmペース走@3ʼ42
坂150 m×6
VO₂・RP
Ⅳ シャープニング10/7–10/273高速化+疲労抜き開始60 → 50 km1 km×6@3ʼ38(R200 m)
テンポ20′@3ʼ50
神経系
Ⅴ テーパー10/28–11/162.5回復とピーキング45 → 30 → 20 km3 km@RP(週‑2)
200 m×6(週‑1)
コンディション

*週間走行距離はおおよその目安です。


2.各フェーズの狙いとポイント

2‑① 基礎再構築期(7/22–8/11|3 週)

週間距離主セッション
45 → 55 kmLTビルド20′(4ʼ10→4ʼ00)/LSD75′

目的

  • 有酸素エンジン(土台)と走行習慣の安定化
  • 乳酸閾値(LT)を 4ʼ10 → 4ʼ00/km に押し上げる第一歩

生理作用

  • Eジョグ&LSDで毛細血管とミトコンドリアを増やし脂質代謝を活性化。LTビルド走で「乳酸を処理しながら出す」能力を高める。

注意点

  • 暑熱期は心拍 +5 bpm 上がりやすいので HR130–145 bpm を優先
  • LSD は「ラクすぎる?」くらいで OK。途中にフォームドリルを挟むと効率◎

2‑② ビルドアップ期(8/12–9/8|4 週)

週間距離主セッション
55 → 65 kmT走5 km@3ʼ55/ロング18 km/1 km×5@3ʼ30

目的

  • LTペースを 4ʼ00 → 3ʼ55/km へさらに短縮
  • ロング走で筋腱の振動耐性と心肺持久を底上げ

生理作用/注意点

  • ロング走後半でグリコーゲン枯渇→回復を繰り返し貯蔵量アップ。
  • T走は週1回で十分、VO₂系とは 72 h 以上離す。

2‑③ 特異的スピード期(9/9–10/6|4 週)

週間距離主セッション
60 → 70 km2 km×3@3ʼ45/6 kmペース走@3ʼ42/坂150 m×6

目的

  • レースペース(3’38/km)に身体を慣らす段階
  • 筋パワーとストライド長を坂150 m×6で強化し、平地RPに転換。

生理作用/注意点

  • 2 km×3は「RP+7 秒」領域で乳酸を適量に保ちつつ、心肺はレース心拍の90 %まで上げる。
  • 坂走で大臀筋・ハムを高出力動員→神経発火効率UP→平地で接地時間-10 ms。
  • RP走後は心拍を135 bpm以下まで落とすCDを5 分以上。
  • 坂は6–8 %勾配・接地音を「パッ」と鳴らす意識、腸脛靭帯の張り=赤信号。

2‑④ シャープニング期(10/7–10/27|3 週)

週間距離主セッション
60 → 50 km1 km×6@3ʼ38(R200 m)/テンポ20′@3ʼ50

目的

  • 疲労を抜きながら神経系とスピード持久を磨き、RPを「ラクに速く」。
  • 走行距離を20 %削り、質を維持=“シャープ”に仕上げる。

生理作用/注意点

  • 短いインターバルで速筋の動員順序を最適化、筋腱の弾性エネルギーを最大化。
  • テンポ20’は「LTより5–7 秒速い」強度で走り、“乳酸耐性”を刺激しながら疲労は最小。
  • R(リカバリー)は時間ではなく距離200 m jogで心拍150 bpm以下に落とす。
  • トレーニングレディネス<45やHRV低下時は本数を4に削り、故障防止を最優先。

2‑⑤ テーパー期(10/28–11/16|2.5 週)

週間距離主セッション
45 → 30 → 20 km3 km@RP(週‑2)/200 m×6(週‑1)

目的

  • 内部疲労を完全に抜き、グリコーゲンを満タンに。
  • 神経系には“小さな火花”を入れ続け、スピード感覚を鈍らせない。

生理作用/注意点

  • 走行距離–40 %で筋酵素は維持しつつ、炎症マーカー(CK・CRP)が急降下→脚が軽くなる。
  • 200 mレペは無酸素に入らない出力(38–40 s)で、筋紡錘の反応速度をキープ。
  • 週-3 以降に新しい靴・ドリルを導入しない(怪我・筋肉痛の元)。
  • 前夜は糖質7–8 g/kg+塩分1.5 g、就寝は22:30 まで。レース当朝は3 時間前に炭水化物軽食+150 mL水

3.フェーズ横断で守る 3 つの鉄則

  1. 刺激 → 回復 → 超回復 のリズムを崩さない
  2. 暑熱期(〜9月)は 心拍基準、涼冷期は ペース基準
  3. HRV と主観疲労 が赤なら距離‑30 %、高強度‑1 本

4.週次メニューの具体例(フェーズⅠ:第○週)

曜日セッションねらいガーミン指標(目標)
休養リフレッシュ
Eジョグ 8 km基礎持久ピッチ178、HR≦140
ドリル+WS200 m×6フォーム改善接地時間≦260 ms
LSD 90 分有酸素ベース拡大平均HR75 %以下
筋トレ+ストレッチ体幹強化
Eジョグ 10 km距離確保VO₂max変動±0
ロング 14 km@5ʼ15脚筋持久

5.チェックポイントと評価指標

目標メニュークリア基準
8/18(第5週)LT 5 km@3ʼ55平均HR165±2 bpm
9/22(第9週)ロング20 km@4ʼ4575 %HRmax以下
10/13(第12週)6 km@3ʼ42RPE 7/10以内
11/2(第15週)3 km+2 km+1 km@RPHR≦92 %HRmax

ガーミン指標の目安

  • VO₂max:12 週で +4 以上
  • 7日間トレーニング負荷:グリーン帯上限を維持
  • 乳酸閾値心拍/ペース:心拍170台前半・ペース3ʼ55→3ʼ50

6.まとめ & 次回予告

 AI:このロードマップに沿い、LT↑ → VO₂max↑ → レースペース順応 → 神経研ぎ出し → 疲労抜き を段階的に積み上げれば、6.6 km=24ʼ00″(平均3ʼ38/km)は射程圏内です。

 次回(第3回)はフェーズⅠ・第1週の実走レポート。
AIコーチと実際のガーミンデータを照合し、私の練習をAIコーチと一緒に詳しく振り返ります。お楽しみに!


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